介護を受ける利用者の身体状況はさまざまであり、認知症と診断された方もいます。認知症の利用者に安心して介護サービスを受けてもらうためには、言葉遣いに気をつけましょう。
なかでも「感謝の言葉」は誰にとっても嬉しいものであり、それは認知症を患っている人も同じです。感謝されることで、自分が人の役に立てたという自尊心や自信の糧となり、日々を過ごすことの生きがいややる気へとつながります。「すごいですね」などの誉め言葉も、同じ理由で大切です。
次に、「肯定の言葉」も大切です。認知症の進行具合によっては誤った言動をしてしまうこともありますが、そこには本人の「間違っている」という自覚がないことがほとんどです。そのため、ただ否定したり訂正しようとするのは好ましくありません。まずは利用者の話を聞いて、「そうだったのですね」と肯定することで、利用者は自分の言動について安心できます。そして、その後の状況を改善するための行動も協力しやすくなるでしょう。
このほか、「共感の言葉」を使うのもよいでしょう。利用者の話を聞く時は決して急かさず、相づちをうったり頷いたり、時には「そうだったんですね」「大変でしたね」など言葉を挟みながらしっかりと目を合わせて聞くようにします。それによって利用者は「理解しようとしてくれている」と安心感を抱き、信頼関係が深まります。
利用者が安心してサービスを受けるためには、利用者と介護者との間に信頼関係を築くことが何よりも大切だといえます。そのためにも、利用者の気持ちに寄り添い、言葉遣いに敬いの気持ちを込めて接しましょう。